3回目の返品です。1回目はコメディ、2回目は理論家の冷たい否定、そして今回は
現場のプロによる判断にしました。同じ「使えない」という結論でも、立場が変わるたびに
理由の重みを変えたかったからです。
教官には、魔法自体は問題なく発動させています。ここが今回の一番の工夫です。
火球はきちんと出る。狙いも外さない。それでも「使えない」と即断させたのは、
この世界での魔法が命に関わる技術であること、安定こそが最優先されることを、
説明ではなく判断のスピードで見せたかったからです。重さが変わる、という
ごく小さな違和感だけで、プロは十分に危険だと判断できる。その基準の高さを
描きたい話でした。
バルクの「……三度目だ」は、今回はほとんど感情を乗せていません。あきれるでも
慌てるでもなく、事実として受け止める。ここまで淡々とさせたのは、次でようやく
彼の側にも変化が起きる、その手前の温度にしたかったからです。
最後にリシェルを登場させたのは、スピンオフをこのまま独立させず、本編側に
情報として繋げるためです。彼女が「少し、気になりますね」と呟く程度に
留めたのは、まだ介入するタイミングではないと判断したからで、あくまで種を
置くだけの一言にしています。
次回公開
9月30日21:00
第5話 三度目の怪談


