第6話 うっかりの贈り物

うっかりの贈り物 キャラクター紹介

 全6話の着地点です。1話目から積み上げてきた「異物感」「呪い」という読み筋を、
最後にまるごとひっくり返す話にしました。杖が壊れていたのでも呪われていたのでも
なく、単に神話級アーティファクトが一般人には扱えなかっただけ――そのギャップこそが、
このスピンオフでずっと描きたかったことです。

 ノエリアを「うっかり」で動かしたのは、今回一番の判断でした。彼女は本編では
観測者として、どちらかというと慎重で中立な存在として描かれていますが、今回は
「一本くらいなら」という、ほとんど勢いだけの軽さで神話級の杖を召喚させています。
この軽さが、下界にとってはとんでもない余波になる――その非対称さを、コメディとして
成立させたかったので、ノエリアの言動はあえて深刻にしていません。

 杖が武器屋に紛れ込む工程を細かく説明しなかったのは、これまでの話で読者が十分に
その結果(三度の返品、怪談化)を見てきているからです。原因だけを後から渡せば、
あとは読者の記憶が勝手に答え合わせをしてくれる。そう判断しました。

 最後に、これまでの出来事を箇条書きのように並べ直した部分は、今回唯一、構成として
本編から外れた書き方をしています。神の視点から見た「ただの贈り物」が、下界では
怪談にまで育っていた――そのスケールの差を、リズムよく畳みかけたかったための選択です。

「呪われた杖と呼ばれるまで」というタイトルは、最後まで杖自身は何も悪くなかった、
という意味を込めています。

次回公開

10月7日21:00
第3章 第1話 王都へ出発

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