洗濯革命シリーズの最終話です。絞り(29話)に続いて、今回は乾燥を扱って
いますが、あえて新しい魔法は足さず、28話で出したぐる風を組み合わせるだけに
留めました。派手な進化ではなく、既にある道具を繋げるだけで生活が変わっていく
――このシリーズ全体で描きたかったのは、その積み重ねの実感です。
「水は逃げたい」という擬人化を、リナに即座に「水に意思ないからな!」と
突っ込ませているのは、メリアが感覚的に理解している現象を、れもんが後から
理屈で補強する、というこのシリーズのお決まりの型を最後にもう一度やりたかった
からです。
今回、一番書きたかったのはリナの「デカいねん!」でした。メリアが
「小さいですが、続く」と控えめに言ったことに対して、リナが本気で言い返す。
この温度差こそが、発明者の視点と、実際に楽になる生活者の視点の違いだと
思っています。メリアにとっての小さな改善が、リナにとってはどれだけ大きいか
――説明せず、この掛け合いだけで伝えたかった部分です。
女将の「近所にも教えたろか」は、次に繋がる含みとしてあえて軽く置いています。
ここで広げすぎず、あくまで裏庭の中の話として閉じました。
「十七枚」を数えていたオチと、れもんの珍しく静かな「地味だけど、確実。こういうのが
一番強いんだよ」という一言で締めたのは、このシリーズの結論をそのまま言葉にしたかった
からです。派手さのない4話でしたが、地味さそのものをテーマにできたのは、書いていて
楽しかったです。
次回公開
9月2日21:00
第31話 ただの石?


