第24話 構文と共鳴

構文と共鳴 世界観

 今回は完全に学院の会議室だけで進む話です。キャラクターの感情ではなく、
立場のぶつかり合いだけで緊張を作れるか、という実験のような回でした。

 構文派と共鳴派という対立軸は、この作品の魔法体系(一般魔法とエーテル魔法)を、
初めて理論として言語化する場でもあります。「精霊との対話を経ないものは魔法では
ない」という共鳴派の主張と、「現象を制御できるなら魔法の一形態」という構文派の
主張。どちらも間違っていない、というところまで持っていきたくて、片方に説得力を
寄せすぎないよう何度も調整しました。

 黒板に線形と波形を並べて描かせたのは、抽象的な議論を少しでも視覚化したかった
からです。読者に式の意味までは伝わらなくても、「二つの違う形がある」ということ
だけは、図として残したいと思っていました。

「危惧だけで再現性のある事象を否定はできません」という構文派若手の返しは、この
会議の中で一番書きたかった台詞です。感情を交えずに、それでも一歩も引かない。
学院という場所のルールの中で、ぎりぎり許される反論の強さを狙いました。

 結論を出さずに議事録だけが乾いた一文でまとめられていく終わり方は、今回意図的に
選んでいます。この時点ではまだ、誰も何が起きているか分かっていない――その宙ぶらりんな
感覚を残したまま、次の話に渡したかったので。

次回公開

8月12日21:00
第25話 波形

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