森を抜けたメリアが辿り着いたのは、巨大な石壁に守られ、運河が血管の
ように流れる活気に満ちた都市、ポルタ=ルクスでした。
ここは単なる中継地ではなく、海と陸を結ぶ拠点として栄える街です。
「人頭税なし」が象徴する自由の気風
ポルタ=ルクスの最大の特徴は、その開かれた門戸にあります。
入城の容易さ
多くの城壁都市で課される「人頭税(通行税)」が存在しません。メリアが
門番との短いやり取りだけでスムーズに入城できたのは、この街が「人の出入り」を
何よりも尊重しているからです。
商いによる循環
街の運営は、商人から徴収される関税や港湾税によって賄われています。
富が集まる仕組みが確立されているため、個人に対しては寛容な「自由の街」として
機能しています。
運河と潮騒:水が運ぶ富
門をくぐった瞬間にメリアを包み込んだのは、焼きたてのパンの匂いと、微かに
混じる塩の香りでした。
水路のネットワーク
街の中を縫うように広がる運河には、物資を満載した船が絶え間なく行き交います。
橋の上から眺めるその光景は、この都市がまさに「世界の物流の心臓」であることを
物語っています。
賑わいの多層性
陸路の荷馬車と水路の船、そして飛び交う商人の声。ポルタ=ルクスは、多様な文化や
訛りが混ざり合う、アルケミア=ノエシスでも有数のメトロポリスです。
メリアの第一歩:拠点としてのポルタ=ルクス
銀貨一枚、七日分の生活費というギリギリの状態でスタートしたメリアにとって、
この街は最適の場所と言えるでしょう。
匿名性の高さ
多種多様な旅人が行き交うため、素性の知れない少女一人でも目立ちすぎることなく
溶け込むことができます。
情報の宝庫
貿易都市にはあらゆる「知識」が集まります。これから彼女がこの世界で生きていくための
術を見つけるには、これ以上の場所はありません。
次回公開
3月30日21:00
運河の風に吹かれて ―冒険者ギルドへの第一歩―


